週末の小学生~大人を対象としたクラスにて「ピカソのまなざし」という臨床美術のプログラムを行いました。(^^)
臨床美術についてはHPでも詳しく紹介していますので、省略しますが、右脳の感覚機能を刺激させるような仕組みをふんだんに盛り込んだプログラムです。右脳への刺激は脳の活性化、感覚機能を研ぎ澄ますのに効果的です。アイディアやひらめきに繋がりやすい状態になります。
今回の「ピカソのまなざし」では、ピカソの作品が変化してゆく流れを写真資料を見ながら大まかに捉えて紹介しました。今回のプログラムを制作するうえで知っておきたいのがピカソの多視点性。今回は、切っ掛けとなるキュビズム時代を取り上げてみました。
制作では始めに、白い正方形の画用紙に、墨と割り箸ペンをつかって何本かの線を描きました。潔い線、穏やかな線、踊るような線、力強い線、ワクワクする線など。次に画用紙を回転させながら、だんだん浮かび上がってくる姿にオイルパステルで色をのせていきました。面白いもので、色をのせていくとどんどん色々な姿が現れてきます。まるで「ルビンの杯」のようです。図柄と地ずらが入れ替わるたびに浮かび上がるシルエットが変わります。図柄と地づずら が入れ替わるということは、画面上の空間が壊されてしまう状態であることです。これも多視点的な捉え方かとおもいます。
ピカソのキュビズムも同じような役割をもっていたようです。キュビズムは、モチーフを正面からみただけでなく、横から、上から、下から、後ろから、あらゆる方向から観察し、それらを同じ画面の中に表したものです。そのことで、画面の中にあるはずの空間(遠近感)を消すことで、見る者を混乱させ、逆にそこにうつっているもの(画面)への関心を高めたのではないでしょうか。不明快な画面から技法としての多視点性だけでなく、モチーブが持つ資質としての多面性にまで関心を持たせたかったのかもしれませんね。
参加者の作品をご覧ください。正面と向きを回転させた面、それぞれ見えてくるもの(姿・シルエット)がありますね。いくつみつけられましたか?今回は親子が参加してくださいましたが、それぞれ夢中になって制作し、あっという間の2時間でした。
造形遊びが多いアトリエですが、たまに真面目に美術もやっています。 (#^.^#)このクラスは大人の方も大歓迎ですよ。是非お気軽に参加してくださいね。
来月はモザイクタイルです。4月はミニ盆栽づくりです。それぞれゲスト講師をお招きしますよ。おたのしみに~。(^^)/