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「自分たちの大好きなこと」で「人を喜ばせることができる」

随分時間が経ってしまいましたが、今年の5月に高学年水曜日クラスの子ども達が、地元のマルシェに「こどもの木」というお店を自分たちで出しました。以前facebookにも記事を書きましたが、「自分のつくったものを売ってみたい!」という子ども達の提案から始まったプロジェクトです。

約2ヶ月かけて、アイディアを出し、役割りを決め、途中で目的を確認し、当日を迎える。
基本的につくるのが好きな自分たちなので、

「作りたい人の気持ちはよくわかる。」

そんなわけで、主にワークショップをメインに行ったところ大盛況となり売上が14,700円にも。
金額の話をしたいわけではないのですが、子ども達にとって結構な額となったわけで、その使い道を
【使いみち会議】

として、真剣に話会う場を設けました。

・アートを通じて支援しているNPO団体にはどんなものがあるのか?
・普段できないような体験をするためにゲスト講師を呼んでみようか?
・アトリエに新しい特殊な機械をいれちゃう?等…、

子ども達からは、
「うーん。それもいーんけど~、みんなで出かけたい~!!」と。

ま、そうでしょうね…。^_^;
(結果はどうであれ、選択肢があることを知ることは重要!!)

ということで、当時まだやっていた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」 http://www.dialoginthedark.com/

にいってみたい!との盛り上がりもあったのですが、既に会期終わりまで満席。
結局「サンシャイン水族館」と「猛毒展」、そして「アルチンボルト」展に丸一日かけて遊びに行くことになりました。(どれも盛り上がりましたが、とくにアルチンボルト展は予想以上に楽しかったようでした。)

子ども達のお店「こどもの木」のプロジェクトを経て、感じている事は、クラスがより仲良くなったこと。以前から仲のいいクラスでしたが、ちょうど新しい仲間が入ってきたばかりの時期でした。当初は距離のあった子ども達も今では気遣って話しかけたり、笑いあったりするようになりました。そして、(親しさからきているのだろうが)相手をからかったりしていた関係も、相手を「居なくてはならない人」と見るようにもなったように感じます。

そしてなによりも、「自分たちの大好きなこと」で「人を喜ばせることができる」という気づきがあったこと。

11月、

今度は別のクラスが地元マルシェに参戦。
各クラス個性が違います。だからこそ、今度はどう進んでいけるのか、ハラハラドキドキです。

時折、経過報告していきます。

【環境を工夫することで、不自由な状態がなくなることを、幼いころから子ども達は知っている—。】

先日とても興味深い話を聞くことが出来ましたので、こちらにシェア。
「これからの日本の教育のために出来ることは何か?〜現役教員がデンマークで学んできたこと〜(報告会)」

デンマークの教育のこと、気にはなっていたのですが、ほとんど知りませんでした。そんなわけで、ものすごく興奮する内容でした。

印象に残ったのが、「0年生」と「10年生」という存在。

0年生というのは、就学前に対話や時間の経過の認識を養う時間のようです。1年生になるのは、「もうそろそろ1年生になってもいいかな。」「もうすこしゆっくり学んでから行こう」と決められるようで、小学1年生になる年齢が決まっていないという事!!なんという!

幼少期の時点で、他人との横並びを気にしないという感覚をもっている!(もちろん、親も周りも!)すごいことではありませんか?

また、10年生というのは、中学が終わって進学を考える前に、自分の不十分な部分を補うためにもう一年居たり(最長2年だとか)やりたいことを考える時間として使うことができる。(日本だと大学時代をそんなモラトリアムな時間として過ごしていたりしません??今は違うのかな?)
また移民や中退した子が学び直しとしてこの時間を使うことができる。

デンマークでは小・中学校のに在籍している間から将来どんなことをしたいのか考えたり、自分を見つめる時間が多いそうです。専門の進路カウンセラーがいて相談する機会が常にある。また、職場体験、インターンシップが多く、社会にでるとどんな世界があるのかを知る機会が多いよう。

中学を卒業するまでに大まかな方向性を決め、高校へいく(進学)や、職業専門学校へいって専門知識を身に着ける選択ができる。(職業専門学校は高校(進学)と同等な社会的価値の認識。日本では、ちょっと違いますよね。)
その先には、大学や、フォルケ・ホイスコーレ学校のような様々なタイプの学校があり、選択肢が広い。(フォルケ・ホイスコーレ学校に関しては、サイトで調べてください。)

日本のように(全てではないが)高校へいくことに特別な目的もなく何となく行くというような子はほとんどなく、目的があって高校にいくので、授業中のモチベーションが高いとのこと。また小学4年生くらいまでは、評価ではなく、多様性を重視した教育。それ以降は、クラスを理解の度合いで分け、各クラスそれぞれのスピードで授業が進んでいくようす。

この4年生くらいまでの多様性を重視した教育というのは、クラスに障害のある子ども達が一緒に学んでおり、全ての子どもが平等に授業を受けれる工夫がなされてあるとのこと。つい立をたてをしたり、机や椅子の高さを変えて、集中しやすい環境をつくるなど。

子どものうちから、
「環境を工夫することで、不自由な状態がなくなることを、子ども達は知っている。」ということ—。

これってものすごい事ですよね。
日本が今目指しているマイノリティのサポートや共存が当たり前の感覚となって育っているということ。

もう書き切れないくらいなんですが…、

障害者とサポートする人(学生の場合もあり)が常に対等であり(当たり前なのですが、日本ではどうでしょうか。)頼みごとをいいやすい環境であること—。

本当に、もう書きたいことがいっぱいなのですが…。

この会に参加して、
今すぐに何かが変わることではないのですが、
「なにか」できるような気がしたんですよね。

自分の周りから発信できることがあるような…、
一人ひとりに実感をもってもらうようなことが出来るような、
その一人の先は無限なんだと…。

これまでにも考える機会はあったのだと思いますが、私は今回、なにか「ストン」ときたのです。

現役の先生たちの熱い思い、現状を変えなくてはいけないという思いや、学校の中でのジレンマ、その話しと、このデンマークの旅の報告会の対比がとても生々しくて…。

会場では教員、元教員、福祉関係、サラリーマンの方、多業種の方々が現場の問題への糸口を探しに集まっていました。

そんなエネルギーもとても気持ちよかった。

参加してよかった。

(自分のメモを頼りに書いているので、間違った情報があればごめんなさい。)