新しい年を迎えてこども達には、今年の目標や、願い事を考えてもらいました。そして、それらを書いた紙を「富士山の絵に納める」という制作をしました。
臨床美術のプログラムとして出ている「富士山の初日の出」。対象は大人向けのようですが、子ども達にも取り組めるように切っ掛けを工夫して取り組んでみました。
大人…特にご高齢の方ほど富士山の思い出や思い入れは強いですね。子ども達といえば、日本一ということや、御目出度いというイメージを持っているといった感じです。
では、昔の人達が、どうして富士山に対して想いが強いか、どうして、富士山の名画が多く残されているのか。
そんなことを考える切っ掛けになればとおもい、前半は富士山についてみんなで会話する時間を多くとりました。
こども達にとっては、
「どうやって山はできるの?」
まずそこから疑問が湧くようでした。
調べればわかることなのでここでは割愛しますが、
「どうやって出来たと思う?」と聞くと面白い反応がありました。
「真ん中に長ーい木が生えてくるんだよ。その周りにちょっと低い木が生えてくるの。そのまわりに小さな木が生えてくるの。山はそうやってできてるんだよ。」
「たくさん土をあつめてきて誰かが作ったんだと思う。そこに木を植えたんだよ。」
「落ちてきた隕石が刺さってできたんだよ。」
どれも魅力的でそのまま描いてほしいくらいです。
次に、
「富士山は何県にあるのか?頂上は何県なんだろう?」
そんな疑問も出てきて、山頂が聖域である話しなどに繋がっていきました。
聖域であるということは、人が富士山に対して神のように想っている。それってどういった出来事があったのだろう?
そんなことから、「祈り」につながっていきました。
「じゃ、みんなの願いを富士山にたくそうじゃないか!」
そんなことで、
今年の「目標」や「願い」を紙に書いて、富士山に納めることにしました。
みんな「目標」や「願い」はなかなか見せてくれなかったので全員のものは把握していませんが、こんなものがありました。(一部)
ユニーク編
・持久走大会で勝つために、前の日にトンカツをたべたい
・魔法使いになりたい
・家の中に巨大な段ボールハウスをつくりたい(←どっちの家に帰るんだろう。^^)
真面目編
・学校のお友達となかよくしたい
・学校の持ち物を忘れないようにする
・学校で手をあげられるようになりたい
・ママのお手伝いをする
・〇〇がうまくなりたい(習い事など)
中には、身内にご不幸があり、心を淋しくしているおばあちゃんのためにお守りとして作りたい。と言って制作していた子もいました。
気持ちをこめて、制作するものに向き合ってもらいたい。
こんなちょっとした事で、目の前のものが特別になる。
部屋に飾って時々、富士山に向き合ってもらえるといいなとおもいます。
制作を切っ掛けにして、いろんなことに疑問をもったり、調べたり、考えたりですることが楽しくなるのも、アートの面白さだと考えています。