おおきな木では、得に低学年に絵の描き方を教えることは、ほとんどありませんが、夏休みに絵を描く機会が増えるかな?と思い、今週は空の描き方を紹介しました。
始めに20分間の時間を与え、好きな色で好きなように描いてもらいました。それが、とっても個性的で、素敵で、なんとなく教える必要もないような気がしたのですが、方法の一つとして、三原色+白で空の色をつくり(天気が悪かったクラスは写真を参考に)、水彩絵の具の特徴を活かした、にじみ、ラギング法を紹介したわけですが、正直描いた後にえらく心がざわつきました。
その晩、私は珍しく夢を見ました。
なぜか、高校生の自分が、修学旅行中にもかかわらず、スーパーリアリズム風の絵を描くことに集中しすぎて、帰りのバスに乗りそこなう…。という、なんともおかしな内容で、早朝に目が覚めました。(焦って荷物をまとめていたら、当時の担任が、教員用のバスに乗せてあげるから焦らなくていいよ。とも言ってくれました。)
描き方には様々な方法があること。アトリエで紹介する描き方は、あくまでも一つの方法であること。それらは毎回丁寧に伝えているつもりでいますが、とくに低学年、中学年の子ども達の中には、様々な受け止め方があることも今回感じずにはいられませんでした。
「自分が初めに描いた絵のほうが好きだな。」
「僕も、はじめに描いたオリジナルの絵の方が好き~。」
うん、うん。本当にそう思う。
紹介した方法で描いた空から、自分の表現の幅を広げた子も、もちろんいる。
一人ひとり、様々な目的でココにいるわけです。
さまざまな選択肢の中から子ども達が自分で判断すること。
それを出来るように、慎重に丁寧に、
伝える言葉の豊富さを、
考えを待つ時間を、持っておく責任を重く感じたのでした。
個性を潰すような指導があっては絶対にならない—。
そして本日は、久しぶりの青空が現れ、クラスの子達と、外の空を見上げながら描きました。鑑賞会では、自分達の絵をみるだけでなく、画家達の描いてきた空も鑑賞し、様々な空の表現がある事の豊かさ、自分が描きたいイメージと、表現方法についてしっかり確認する時間をもつことができ、少しホッとしました。
これらの気持ちを忘れないようにしたいと思い、ここに記録しておきたいと思います。
2021.7.15
創造アトリエ おおきな木 川崎 久美












